義歯について
歯を失った場合の治療法には、差し歯やブリッジ、インプラントなどのほかに「入れ歯(以下 義歯)治療」があります。義歯には、総義歯や部分義歯など様々な種類があり、材質や構造も多様で、患者様一人ひとりのご希望やライフスタイルに合わせて製作することができます。
義歯は、「食事を味わう」「噛みしめる」「喋る」「笑う」などの行動を支える体の一部となり、健やかな毎日を送るためには、お口にフィットする入れ歯を手に入れることがとても大切です。当院ではお口全体の治療計画をしっかり立てて、十分なカウンセリングを重ねて一緒に考えながら治療を進めていきます。
こんなお悩みはありませんか?
- 入れ歯を口に入れると痛い
- 食べ物がうまく噛めない
- 話しにくい、食べにくい
- 入れ歯がすぐに外れる
- 入れ歯の見た目が気になる
- 入れ歯の臭いが気になる
- 頬や舌を噛んで、口内炎ができることが多い
- 歯がないところがあるので、インプラントは怖いし、入れ歯を入れたい
- 何度も入れ歯を作り直している
- すぐ割れてしまう
- なかなか合う入れ歯がない
入れ歯にお悩みがある方も、お気軽にご相談下さい。
当院の義歯治療
色々と義歯でお悩みの言葉を聞いています。当院は、口腔外科治療が強みですが、入れ歯(以下 義歯)治療も強みです。臨床経験50年を超え、義歯治療が得意の前院長とタッグを組み、治療にあたります。もちろん、症例によっては当院でも対応が困難な場合があります。その時は、なぜ難しいのかをきちんと説明した上で、高度医療機関に紹介する場合があります。
また、義歯には保険義歯と保険外義歯などがあります。初めての義歯の患者様には、保険義歯をまず使っていただきます。最初から保険外義歯を使って、もし義歯に慣れることができないと、せっかく作製しても無駄になってしまいます。また、当院から積極的に保険外義歯を勧めることは原則ありません。他の治療にも言えますが、よく相談した上で、患者様にあった最適の義歯治療法を選択しましょう。また、義歯が入る歯肉の土手(顎堤と言います)の形や高さ、歯肉の幅、小帯と呼ばれる唇や頬と歯肉をつなげる筋状組織の付着状況、骨隆起など、義歯の安定に関わってくる条件がありますが、これらの条件が不良の場合は、患者様から同意をいただいてから、外科手術を行ってから作製することもあります。
義歯でお悩みの患者様、是非一度ご相談いただければと思います。
義歯の種類
保険診療と自費診療で製作する入れ歯の違い
義歯は保険診療の範囲内で製作できるものと自費診療によるものがあります。
保険診療の義歯は、保険適用内で決められた素材や製作工程で製作するため、費用を安く抑えることができるというメリットがあります。
一方、自費診療の入れ歯は、見た目の自然さ、お口へのフィット感などをより重視して製作するため、保険適用外の高価な素材を使用し、製作工程も保険の入れ歯より複雑な工程になります。
「より安価に製作したい」というご希望であれば、保険診療での入れ歯をおすすめします。しかし、審美性や機能性をより求めるのであれば、精密に製作する自費診療の入れ歯をおすすめします。
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長所 |
短所 |
保険診療 |
- 保険適用なので、費用を安く抑えることができる
- 義歯製作の工程が少ない分、通院期間が短い
- プラスチックで製作するため修理がしやすい
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- 材質がプラスチックに限られるため、装着時に違和感などが出る可能性がある
- 強度や耐久性が低く、変色や破損が起こりやすい
- 温度感覚に乏しく、食事のおいしさを感じにくくなる
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自費診療 |
- 使用できる素材(金属製、メタルフリー、シリコン製など)が豊富で、好みやフィット感など自分に合った義歯に仕上がる
- 金属製は熱の伝わりが良く、おいしく食事を楽しむことができる
- 自然な見た目になる
- 強度や耐久性に優れており、変形や破損、変色を起こしにくい
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- 治療費が高額になる
- 細部にわたって丁寧に製作するため、義歯の完成までの工程が多く、通院期間が長くなる
- 修理が難しい場合がある
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保険診療
長所 |
- 保険適用なので、費用を安く抑えることができる
- 義歯製作の工程が少ない分、通院期間が短い
- プラスチックで製作するため修理がしやすい
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短所 |
- 材質がプラスチックに限られるため、装着時に違和感などが出る可能性がある
- 強度や耐久性が低く、変色や破損が起こりやすい
- 温度感覚に乏しく、食事のおいしさを感じにくくなる
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自費診療
長所 |
- 使用できる素材(金属製、メタルフリー、シリコン製など)が豊富で、好みやフィット感など自分に合った義歯に仕上がる
- 金属製は熱の伝わりが良く、おいしく食事を楽しむことができる
- 自然な見た目になる
- 強度や耐久性に優れており、変形や破損、変色を起こしにくい
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短所 |
- 治療費が高額になる
- 細部にわたって丁寧に製作するため、義歯の完成までの工程が多く、通院期間が長くなる
- 修理が難しい場合がある
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総義歯と部分義歯
義歯には大きく分けて「総義歯」と「部分義歯」の2種類があります。
「総義歯」はすべての歯を失った場合に使用するもので、上下いずれかの顎(あご)全体を覆うタイプの入れ歯です。顎と接着する部分(床)と人工歯で構成されています。
保険診療内で製作する場合、床は合成樹脂、人工歯はプラスチック素材を使用します。自費診療では、素材の選択肢が増えて、床にチタンなどの金属を使用したり、人工歯にセラミックなどを使用したりして製作することができます。
「部分義歯」は歯の一部分を失った場合に使用します。歯が持っている本来の機能を、残った歯と部分入れ歯で回復するように設計されています。欠損部分の両隣の天然歯に、金属のバネ(留め具、クラスプ)をかけて固定します。保険診療ではバネ部分が金属製になりますが、自費診療では金属を使用せずに、自然な見た目に仕上げることもできます。
保険外義歯
※値段は2024年10月1日現在です。材料費、技工料によって、値段は随時変動します。ご注意ください。
金属床(コバルト床)
- 治療費
- 243,000円~
- 特徴
- 床の部分が金属(コバルト)でできている義歯です。そのため、冷たい・熱いが感じやすく、食事が美味しく感じることができます。また、強度と快適さにも優れ、自然な装着感です。汚れが付きにくく、義歯特有の臭いが少なく、衛生的です。
- 素材
- プラスチックと金属
- 耐久性
- ★★★★★
頑丈で壊れにくい
- 審美性
- ★★★☆☆
部分床義歯の場合、金属のバネが目立つ
- 快適性
- ★★★★☆
薄いため違和感が少ない
金属床(チタン床)
- 治療費
- 293,000円~
- 特徴
- 床の部分が金属(チタン)でできている義歯です。そのため、冷たい・熱いが感じやすく、食事が美味しく感じることができます。また、コバルト床の特長に加えて、軽量なので、より装着感が優れています。
更に、使用金属がチタン合金なので、身体に優しい義歯です。
- 素材
- プラスチックと金属
- 耐久性
- ★★★★★
頑丈で壊れにくい
- 審美性
- ★★★☆☆
部分床義歯の場合、金属のバネが目立つ
- 快適性
- ★★★★★
軽くて薄いため、違和感が少ない
ノンクラスプデンチャー
- 治療費
- 120,000円~
- 特徴
- 金属バネを全く使用しない義歯です。見た目もとても自然で装着感にも優れています。金属を使用していないため、金属アレルギーの心配がありません。自然な口元を追求した新世代の義歯です。
- 素材
- 弾力性のある特殊素材
- 耐久性
- ★★★☆☆
弾力性があり割れにくい
- 審美性
- ★★★★★
目立たないバネで固定
- 快適性
- ★★★★☆
軽くて薄いため、違和感が少ない
金属フレーム+ノンクラスプデンチャー
(スーパーナチュラルデンチャー)
- 治療費
- 200,000円~
- 特徴
- より薄く、より強く、より嚙める。
歯科用コバルトクロム合金を使用
ノンクラスプデンチャー同様、金属色が出ない自然な外観です。
義歯の強度を保つため、内側に金属を使用していますが、薄く最小限の面積のみに使用しているため、滑らかなつけ心地です。自然な見た目と噛みやすさを兼ね備えた義歯です。
- 素材
- 弾力性のある特殊素材と金属
- 耐久性
- ★★★★☆
強度があり壊れにくい
- 審美性
- ★★★★★
目立たないバネで固定
- 快適性
- ★★★★★
薄いため違和感が少ない
ソフトデンチャー
- 治療費
- 150,000円~
(※総義歯の患者様)
- 特徴
- 噛みしめられる感動を患者様に!
主に、義歯による痛みの緩和、吸着を求めている、もっと硬いものを食べられるようになりたい患者様に適しています。
- 素材
- 弾力性のある特殊素材とプラスチック
- 耐久性
- ★★★★☆
強度があり壊れにくい
- 審美性
- ★★★★★
目立たない素材を使用
- 快適性
- ★★★★★
シリコンを使用しているため、痛みはほとんどありません
※コバルト床、チタン床などの金属床は選定療養費の対象となります。